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放射線治療装置について

Introducing “TrueBeam Hypersight”

当院の高精度放射線治療装置「TrueBeam Hypersight」について紹介します。

放射線治療装置について

高精度放射線治療装置「TrueBeam Hypersight」

高精度放射線治療装置「TrueBeam Hypersight」は、強度変調放射線治療(IMRT)、回転強度変調放射線治療(VMAT)、定位放射線治療(SRT/SBRT)、および緩和的な照射など、さまざまな治療法に対応した装置です。
脳腫瘍、肺がん、前立腺がん、肝臓がん、脊椎腫瘍に加え、骨転移に伴う痛みの緩和や出血に対する止血照射など、症状や治療目的に応じた柔軟な対応が可能です。
また、従来の装置と比較して照射の精度と速度の向上により、より短時間で正確な治療が可能となり、患者さんの負担軽減にもつながります。

高精度放射線治療装置 ノバリス-Tx

高精度放射線治療装置 TrueBeam Hypersight

新しい画像誘導技術HyperSight

当院では、放射線治療装置TrueBeamに、画像誘導技術「HyperSightイメージングソリューション」を搭載しています。
これは、従来のCBCT(コーンビームCT)と比べて撮影速度・画像範囲・画質が向上した新しい画像取得技術です。
撮影にかかる時間が短縮されることで、治療がよりスムーズに進行し、患者さんの身体的・心理的な負担の軽減につながります。

1.高速撮影によるスムーズな治療

従来より約1.5倍速いCBCT撮影が可能となり、体勢保持の負担や体動によるズレを軽減できます。
さらに、撮影モードの選択肢も増え、患者さんや症例に合わせて適した撮影が行えるようになり、よりスムーズで正確な治療につながります。

2.高画質・広範囲の撮影

画質の向上により、腫瘍や臓器の視認性が改善され、標的の確認をより迅速かつ正確に行うことができます。
撮影範囲(視野)も拡大されており、従来は複数回の撮影が必要だった部位でも、一度の撮影で十分な画像を取得できるケースが増加し、治療時間の短縮にもつながります。

3.Adaptive Planningに対応

HyperSightは、CTシミュレータに匹敵する画質とHU(CT値)精度を備えており、取得したCBCT画像を治療計画の見直しに活用することが可能です。
これにより、治療中に腫瘍の大きさや体型に変化があった場合でも、それに応じた照射計画の調整が行いやすくなり、より的確な放射線治療の提供につながります。

HyperSightを搭載した放射線治療装置TrueBeamは、広範囲かつ高画質な画像取得を可能にし、治療部位の位置を正確に把握することで、より精度の高い照射を支えます。 撮影時間の短縮や撮影方法の柔軟性により、体勢保持による負担や照射時のズレを抑えることができ、患者さんにとってもより安心感のある治療環境を実現します。 当院では、こうした高度な画像誘導技術を活かし、がんの種類や部位、治療目的に応じた適切な照射を提供しています。

特徴

  • SGRT(表面誘導放射線治療)で体表面を追跡
  • サーモセンサーにより体表面の熱も利用して追尾精度を向上
  • X線画像で照射前の位置を高精度に確認
  • 体動を検知すると照射を自動で一時停止

強度変調放射線治療(Intensity-Modulated RadioTherapy: IMRT)

腫瘍形状が不整形で正常臓器と隣接して位置関係が複雑な場合、従来の照射方法では(下図左)腫瘍周囲の正常臓器にも腫瘍と同じ程度の高線量が照射されるため、腫瘍に対して十分な線量を投与しながら周辺正常臓器の有害事象(副作用)を抑えることが困難でした。
しかし、強度変調放射線治療(IMRT)は、線量率が変化しながらMLCが動くことでビーム強度を変調させ、腫瘍に対して放射線を集中することが可能です。
そのため、周囲の正常臓器を耐容線量以下にすることができる技術です(下図右)。
これにより、今までは周囲の正常臓器の耐容線量が腫瘍よりも低いため、放射線治療の適応外であった症例に対しても、治療を行うことが可能となりました。 
当院はIMRT技術の中でも、よりスピーディーに行える回転型IMRT:Volumetric Modulated Arc Therapy:VMATを採用しています。

例)前立腺がん症例:照射方法の違いにおける線量分布の比較(赤い範囲が強く放射線が照射される)

従来行われている通常放射線治療

前立腺癌全摘出術後の臨床的再発
  • 直腸が高線量(赤色:処方線量)範囲に入り込んでいる直腸有害事象(副作用)の発生確率が上がる。

強度変調放射線治療(IMRT)

前立腺癌全摘出術後の臨床的再発
  • 前立腺の形状に沿った分布を形成できる
  • 高線量範囲(赤色:処方線量)に入り込む直腸体積を可能な限り少なくできる

VMAT:Volumetric Modulated Arc Therapy(回転型IMRT)

回転しながらIMRTを行うことができるVMAT(Rapid Arc®)は、照射しながら線量率や装置の回転速度も変調することができるため、従来のIMRTのように装置を固定した状態で多方向から照射する場合と比較して、短時間で腫瘍に対して線量を均一に集中させ、隣接する正常臓器の線量を下げることができます。

回転型IMRT Rapid ArcR

放射線治療装置の精度管理について

当院では、放射線治療の「質」と「安全性」を確保し、患者さんに安心して治療を受けていただけるよう、各種ガイドラインに準拠した品質管理プログラムに基づき、精度管理体制を整えています。
治療装置の正常な動作や性能の安定性については、定期的な点検・評価・調整を通じて維持しており、常に信頼性の高い治療環境を提供できるよう努めています。
この精度管理は、診療放射線技師に加え、放射線治療品質管理士、医学物理士、放射線治療専門技師など、専門資格を有するスタッフがダブルチェック体制で複数名により実施しており、万全の安全管理を行っています。

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