現代のがん治療において、放射線治療は根治から症状緩和まで、幅広い適応があります。
しかし、患者さんやご家族の中には「放射線についてよく分からない」「何となく怖い」などのイメージを抱き、放射線治療を受けることを躊躇されたり、不安に思われている方も多いのではないでしょうか。
このような患者さんやご家族の不安を少しでも和らげるために、看護師は治療期間中、患者さんの現在の体調やライフスタイルに応じたきめ細やかな指導を行っていくことが重要であると考えます。
当センターで行っている放射線治療中の看護面談についてご紹介します。
放射線治療を受ける上で、治療中の副作用の発生は避けられませんが、日常生活に注意することで、症状を軽減したり、回復を早めたりすることができます。
そのために看護師は、医師の診察とは別に必要な時期に面談を行う事で、患者さんの日常生活習慣や健康状態、セルフケア能力を把握した上で、お一人お一人に適した支援を行い、患者さんが快適に治療を完遂できる様にご家族を含めサポートしています。
また当センター独自の取り組みとして、患者さん自身が副作用の経過を少しでも理解しやすくなるよう面談時には「ケアマップ」というパンフレットを用いた指導を行っています。
ケアマップとは、照射部位や疾患によってどのような副作用が、どの時期に生じやすいか、またその副作用の症状について日常生活の中でどのような点に注意して対処していけばよいかを1枚の表で示したものです。
ケアマップを用いることで、患者さんやご家族が、治療経過を視覚的に把握し、看護師と一緒に確認や相談がより容易にできるようになっています。
看護面談では、副作用以外の面でも、患者さんやご家族からの不安や疑問にできる限り対応しており、これまで治療を受けられた多くの方から、面談に対する満足の声をいただいています。
放射線治療を受ける患者さんが心の中に抱えている不安や葛藤は、計り知れないくらい大きなものだと思います。
患者さんが安心して治療を遂行できるよう、放射線治療中の身体のケアはもちろんのこと、患者さんやご家族の精神面の支えも含めて全力でサポートさせていただきますので、どんな些細な事でもお気軽にご相談ください。